10月2日(土)10:00~12:00に、令和3年度 藤沢市生涯学習 講座企画「湘南らしい働きかたデザイン講座 Season3」の第三回目を開催しました。
「湘南らしい働き方を実践しているゲストの事例にふれる」というテーマで、藤沢にあるコワーキングスペース「NEKTON FUJISAWA」のオーナー三浦悠介さんと、その利用者の方を4名ゲストにお招きし、コロナ以降の新しい働き方についてお話を伺いました。
【三浦さん】
まずは三浦さんから、自由な働き方をデザインするために、「はたらく」とはどういうことなのか考えてみましょうという呼びかけがありました。
自由な働き方(リモートワーク)に移行しにくいと感じている方は、そもそも「はたらく」ということがなんなのか不明確だからではないか、という問いかけがありました。
「出勤して社内にいることが『はたらく』ではなくなったアフターコロナの時代において、『働き方をデザインする』というのは根本から就業形態や、ひいては人生そのものをデザインすることであり、これをわかりやすくするために『はたらく=価値を提供する』と考えてみると、どこでどんな仕事をしても価値を下げずに仕事ができるということが示せれば良いのではないか」ということでした。通勤時間を有意義に使える分、むしろ通勤していた頃よりもパフォーマンスを発揮できるかもしれない。ただ、成果を求められるということなので、自由な働き方を手に入れるというのは楽になるというわけではなく、能力を示すことで、自由を勝ち取るというニュアンスがある、というお話でした。
【4名のゲスト】
それぞれどのように自由な働き方を実践しているのか紹介してくださいました。
■柳井隆宏さん40代(15年広告制作会社に勤め2年前に独立し、現在はWEBディレクタ-としてSNS運用などに関わる)
請負50%に対して、自主的なプロジェクトも50%にしようということで、今まで触ってこなかったSNSを勉強するために、趣味であるキャンプを掛け合わせて試験的に運用をし始めるとフォロワーが増え、現在はグッズ販売などビジネスにつながったという話をシェアしてくれました。自分の時間が自由になった分、好きなことや経験を仕事と掛け合わせてアウトプットすると、それを楽しんで興味をもってくれる人がいるというお話でした。
■碇佳彦さん60代(貿易の仕事してを40年以上。10社転職経験も。現在もお勤め中。)
貿易関係の仕事をしていて、コロナ禍以前より長年リモート。仕事をしながらそのスキルを活かして別の仕事を手伝うようになり、結果的に現在はパラレルワークになっているというゲスト。
今の仕事を引退したあと、他のこともできるように在職中に準備ができている事例でした。
碇氏からのコメント「働きながら独立できる仕事の準備をするのが難しいとの意見がありますが、自分の経験、知識、人脈などの蓄積を活かせるよう、同じカテゴリーで独立を目指せば、ハードルは間違いなく下がると思います。」
■出水沢のりこさん40代(医療福祉現場の管理栄養士、そして子育ても経験。SNSきっかけで貿易業務に関わりはじめる。現在は個人事業主としてきものを輸出している。)
藤沢市への移住し地域のお店とお仕事で関わるようになってから、着々と個人事業主としてビジネスが広がり、4足のわらじをはいている地域密着のパラレルワーカーのゲスト。業種はたくさん経験してなんでも屋のようだが、その経験のすべてを総括すると編集者としての仕事に帰結していると感じると話しました。
■YUKOさん30代(子供のころからダンス、芸能のお仕事に関わる。現在はオンラインでピラティスの仕事をされている。)
つい2ヶ月前に藤沢に引っ越してきたばかりのゲスト。以前より東京と藤沢で仕事があったが、東京に通勤するよりも、藤沢に向かう電車の方が気分がよかったとのこと。コロナ禍ではオンラインでピラティスレッスンを行いながら、同時並行で新たなビジネスも考えているという移住者の事例でした。
参加者のみなさんはかなり具体的な質問がたくさんある様子で、副業やSNSについての扱い方を心配したり、失敗してしまった事例を聞いている方もいました。
また、雇用されている場合は自分が組織を変えられるような立場にないためどう対応していけば良いのか、現在の仕事をしながら他の仕事ができるよう準備をするのが難しい、といった悩みもあるようでした。
三浦さんと、タイプの違う4名のゲストが等身大のお話をしてくださったことにより、現実的に自分だったらどうだろうかと当てはめながら考えるきかっけとなったように感じました。
わたしがゲストのお話の中でおもしろいなと感じたのは、「湘南エリアの特徴は、多少とがっていても誰も気にしない」ということでした。田舎だと人と違うことをすることで悪目立ちしてしまうこともあるかもしれません。あらためて湘南エリアのゆるさを実感したお話でした。
次回は最終回です。緊急事態宣言があけたため、リアルに顔を合わせての開講予定です。
みなさんにお会いできることを楽しみにしております。